アメリカワインの産地呼称「AVA」とは Nov.3 2024
ワインの産地を知ることは、その味わいを深く理解するための重要な鍵です。アメリカワインの場合、その多様性は、アメリカン・ヴィティカル・エリア(AVA)と呼ばれる、アメリカ独自のワイン産地分類システムによって支えられています。
AVAとは?
AVAとは、アメリカのアルコール・タバコ税貿易局(TTB)によって認定された、地理的に特定されたワイン産地のことで、その地域固有の土壌、気候、地形などがワインに特徴的な風味を与えると考えられています。AVAは、州、郡、山脈、川、さらには単一の畑など、様々な範囲で設定されており、2024年現在、全米で276のAVAが認定されています。
参照)Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau
AVAの重要性
AVAの概念は、フランスのAOCやイタリアのDOCGのようなヨーロッパのワイン産地分類システムに近いものですが、アメリカ独自の柔軟性と多様性を特徴としています。AVAによって、ワイン生産者は自らのワインの品質とオリジナリティを明確にし、消費者に対しそのワインがどこでどのように作られたのかを伝えることができます。
AVAを選ぶ楽しさ
AVAはそれぞれが独自の個性を持っています。カリフォルニアのナパ・ヴァレーのような世界的に有名な地域から、オレゴン州のウィラメット・ヴァレーのような新興の産地まで、AVAを選ぶことははアメリカワインの愛好家にとっては非常に愉しみな作業です。
ちなみに、全体の半分以上、154のAVAがカリフォルニア州にあり、当店で扱っているエリーAVAとフィンガーレイクスAVAがあるペンシルベニア州、ニューヨーク州には20ほどのAVAが存在します。
エリーAVAとフィンガーレイクスAVA
ニューヨーク州とペンシルベニア州内には、素晴らしいワイン産地が数多く存在します。その中でも、エリーAVAとフィンガーレイクスAVAは、近年注目を集めている地域です。
エリーAVA: ペンシルベニア州〜ニューヨーク州にかけて位置し、エリー湖の影響を強く受けるAVAです。涼しい気候を生かして、リースリングやシャルドネなどの白ワインが得意です。湖風がもたらすミネラル感が特徴で、爽やかでフルーティーな味わいが楽しめます。
フィンガーレイクスAVA: ニューヨーク州中部に位置し、細長い湖が連なることから「フィンガーレイクス」と呼ばれています。リースリングやシャルドネのほか、ピノ・ノワールも栽培されており、その品質は世界的に評価されています。湖のそばの冷涼な気候と、石灰岩質の土壌が、ワインに複雑な風味を与えます。
AVAを知ることで、ワイン選びがより楽しく
好みのワインを見つけやすい: AVAの特性を知ることで、自分の好きなタイプのワインを探しやすくなります。
ワインのストーリーがわかる: AVAの地理や歴史を知ることで、ワインに込められたストーリーを感じることができます。
食とのマリアージュが楽しめる: AVAの特性に合わせた料理とのペアリングを楽しむことができます。
AVAは、アメリカのワインの多様性を象徴する存在です。AVAを知ることは、アメリカワインの奥深さを理解し楽しむための第一歩と言えるでしょう。特に、エリーAVAとフィンガーレイクスAVAは、アメリカ東部が誇る素晴らしいワイン産地です。ぜひ、これらのAVAのワインを味わってみてください。
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